大阪の事業承継・M&A|支援制度・相談先を専門家の行政書士が解説

大阪の事業承継・M&Aに関する記事のアイキャッチ画像。ビジネスパーソン同士が握手をしている様子

大阪府内の中小企業経営者から「後継者が決まっていない」「M&Aによる事業承継を検討したい」というご相談が増えています。本記事では、大阪府における事業承継・M&Aの現状、事業承継の手法としてM&Aが選ばれる理由、進め方の基本ステップ、専門家の行政書士に相談するメリットを、事業承継・M&Aを専門分野とし、支援機関登録済み・(一社)M&A支援機関協会会員である専門家の行政書士が運営する行政書士法務事務所が解説します。

  • 大阪府内の事業承継・M&Aの現状がわかる
  • 事業承継の手法としてM&Aが選ばれる理由がわかる
  • 事業承継・M&Aを進める具体的なステップと相談先がわかる
目次

1. 大阪府における事業承継・M&Aの現状

中小企業の後継者不在は、全国的に緩やかな改善傾向にあります。帝国データバンクの調査によれば、2025年の近畿地区における後継者不在率は46.5%となり、前年から0.4ポイント低下して7年連続の改善となりました(出典:帝国データバンク「近畿地区・『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。全国平均(50.1%、同社「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」)と比べても、近畿地区は低い水準にあります。

同調査によれば、大阪府についても前年から不在率が低下しており、近畿の中でも改善傾向にある府県の一つとされています(府県別の詳細な数値は原典レポートをご確認ください)。この改善の背景には、親族内承継だけでなく、従業員承継やM&Aによる第三者承継という選択肢が広がったことも影響していると考えられます。なお、2024年に代表者交代を行った近畿企業のうち「M&Aほか」を経緯とするものは14.4%となっており、事業承継の手段としてM&Aが一定の存在感を持つようになっています(同社「近畿地区・『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。

大阪府は製造業や卸売業の集積地域が多く、サプライチェーンの一部を担う中小企業が後継者不在のまま廃業すると、取引先企業にも影響が及びます。そのため大阪府内では、事業承継・M&Aの両方に対応できる専門家への相談ニーズが業種を問わず高まっています。

大阪府で事業承継・M&A対策が急がれる理由は、次の3点に整理できます。

  1. 経営者の高齢化が進み、判断能力・意思決定力が十分なうちに準備を始める必要があること
  2. 事業承継の手続きには法務・税務にまたがる専門的な対応が必要なこと
  3. 後継者不在のまま経営が悪化すると、事業承継の選択肢(親族内承継・従業員承継・M&A)自体が狭まること

2. なぜ事業承継の手法としてM&Aが選ばれているのか

事業承継の手法としてM&Aが選ばれる理由は、特定の業種に限られたものではありません。次のように、業種を問わず幅広い背景から選択されています。

  • 後継者不在は特定の業種に限らない全国的な課題である:親族内・従業員のいずれにも後継者候補がいない場合、業種を問わずM&Aによる第三者承継が選択肢に上がります。
  • 売り手側の事情だけでなく、買い手側の成長戦略としても活用されている:M&Aは「後継者不在企業の廃業回避」という側面だけでなく、既存企業が新規事業への参入やシェア拡大を図る手段としても選ばれており、双方のニーズが重なることで成約に至るケースが増えています。
  • 経営者の価値観の多様化:「子や親族に無理に継がせるより、事業を成長させてくれる相手に引き継ぎたい」と考える経営者が増えていることも、M&Aが選ばれる背景の一つです。
  • 雇用や取引先の維持:廃業すると従業員の雇用や取引先との関係が失われますが、M&Aによって事業を存続させることで、これらを維持できる可能性があります。

なお、建設業・介護事業・運送業のように許認可を伴う業種では、廃業により許認可自体が失われるため、M&Aによって事業と許認可を一体で引き継ぐ必要性が特に高いケースがあります。ただしこれはM&Aが選ばれる理由の一例であり、対象は許認可業種に限定されるものではありません。

3. 事業承継とM&Aの関係

「事業承継」と「M&A」は別々の話のように見えますが、実際はM&Aは事業承継を実現する手法の一つです。この関係を整理しておくと、自社に合った選択肢を検討しやすくなります。

  • 事業承継:経営権・資産・従業員などを次の世代に引き継ぐこと全般を指す概念
  • M&A(第三者承継):事業承継の手法の一つで、親族や従業員ではなく社外の第三者・企業に引き継ぐ方法

M&Aによる事業承継を検討する際は、国のM&A支援機関登録制度に登録された仲介業者・FA(フィナンシャル・アドバイザー)を活用することで、事業承継・M&A補助金の対象になる場合があります(詳細は次章)。当事務所はこの登録支援機関として、業種を問わず相手企業探しの段階から一貫してサポートしています。

4. 事業承継・M&Aに関する公的な制度・情報源

事業承継・M&Aを検討するにあたって、参考となる公的な制度・情報源には次のようなものがあります。

大阪府事業承継・引継ぎ支援センター 大阪商工会議所が運営する公的相談窓口で、親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)について無料でアドバイスを受けられます。後継者不在の企業と創業希望者をマッチングする「後継者バンク」の運用も行っています。無料で利用できる一方、公的窓口という性質上、担当者が固定されない場合や、案件ごとの継続的な実務対応(契約書作成、許認可承継手続きなど)までは対応範囲に含まれない場合があります。

事業承継税制(特例承継計画) 一定の要件を満たす事業承継について、贈与税・相続税の負担を軽減できる制度です。適用には「特例承継計画」の提出など事前の手続きが必要になるため、早い段階での専門家への相談が重要です。

事業承継・M&A補助金 事業承継やM&Aに伴う専門家活用費用などを補助する制度です(旧称:事業承継・引継ぎ補助金)。専門家活用枠を利用する場合、国のM&A支援機関登録制度に登録された支援機関の活用が条件となります。当事務所はこの支援機関登録済みの事業者であり、あわせて(一社)M&A支援機関協会の会員として中小M&Aガイドラインの遵守を宣言しています。

事業承継・引継ぎポータル(中小機構) 事業承継に関する基本情報をまとめた公的ポータルサイトです。2026年3月に、従来の「事業承継・引継ぎポータルサイト」と「事業承継ポータル」が統合され、現在の名称に一本化されました。

これらの制度・窓口は無料で情報収集を行いたい方の入口として有用です。一方で、実際に契約書作成、許認可の承継手続き、相手企業との交渉といった実務を継続的に進める段階では、登録支援機関である専門家に直接依頼することで、窓口を一本化しスピーディに進められます。

5. 事業承継・M&Aの進め方(基本ステップ)

事業承継・M&Aは、思いついてすぐに完了するものではありません。後継者の育成状況や承継パターンによって幅はありますが、一般的に数年から10年程度の準備期間を要するといわれています。基本的な流れは次のとおりです。

ステップ1:現状分析・後継者候補の検討

会社の資産・負債・株式の状況を整理し、後継者候補(親族・従業員・第三者)の有無を確認します。この段階で経営者保証の状況も合わせて確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。

また、経営者の高齢化が進んでいる場合、事業承継の判断そのものに関わる経営者本人の意思能力が問題になることもあります。当事務所は公益社団法人コスモス成年後見サポートセンターの会員として、成年後見制度に関するご相談にも対応可能です。事業承継の準備を進める中で、経営者ご本人やご家族の判断能力に不安がある場合は、あわせてご相談ください。

ステップ2:承継パターンの選択

  • 親族内承継:子や親族が後継者となるケース。心理的なハードルが低い一方、後継者育成に時間がかかります。
  • 従業員承継:役員や従業員が後継者となるケース。経営の内実を理解した人材が引き継ぐため業務の継続性は保たれやすい一方、株式取得の資金調達が課題になることがあります。
  • 第三者承継(M&A):社外の第三者・企業に事業を引き継ぐケース。後継者不在でも事業継続の選択肢が残る一方、専門的な交渉・デューデリジェンス対応が必要です。

例えば、親族に後継者候補がいない場合、まず従業員承継の可能性を検討し、難しい場合はM&Aによる第三者承継を検討する、という順序で進めるケースが一般的です。M&Aを選択した場合は、相手企業探しから契約締結、許認可の引継ぎ手続きまで、事業承継の中でも特に専門性の高い対応が必要になります。

ステップ3:事業承継計画の策定・実行

承継の方向性が決まったら、具体的なスケジュール、資金計画、税務上の対応(事業承継税制の活用検討)を含めた計画を策定し、実行に移します。M&Aによる事業承継を選択する場合は、国のM&A支援機関登録制度に登録された仲介業者・FAの活用が、事業承継・M&A補助金の対象要件にもなります。

6. よくある質問

Q. 大阪で事業承継・M&Aの相談はどこにすればいい?
支援機関登録済み・(一社)M&A支援機関協会会員である当事務所に直接ご相談ください。許認可承継や定款変更などの法務手続きから、M&Aの相手探しまで一貫してサポートし、窓口を一本化できます。無料の情報収集段階では公的窓口も選択肢になりますが、契約書作成や許認可承継といった実務を継続的に進める段階では、登録支援機関である専門家に直接依頼する方がスムーズです。

Q. 事業承継にはどのくらいの期間がかかる?
後継者の育成期間を含めると数年から10年程度が目安といわれていますが、企業の状況によって幅があります。M&Aによる第三者承継の場合でも、相手探しから契約締結までに半年以上かかるケースが多く、早めの準備が重要です。

Q. 事業承継とM&Aは何が違う?
事業承継は経営権・資産・従業員などを次の世代に引き継ぐこと全般を指す概念です。M&Aはそのうち、社外の第三者に会社や事業を引き継ぐ「第三者承継」の代表的な手法の一つという位置づけになります。

Q. 行政書士に事業承継・M&Aを依頼できることは何?
許認可の承継手続き、定款変更、株主総会議事録の作成、種類株式の活用に関する書類作成など、法務面のサポートを当事務所にご依頼いただけます。税務対応や、訴訟性のある交渉など行政書士の業務範囲を超える対応が必要な場合は、当事務所が窓口となって信頼できる税理士・弁護士をご紹介し、連携しながら進めます。

Q. 事業承継・M&A補助金は使える?
専門家活用枠を利用する場合、国のM&A支援機関登録制度に登録された支援機関を活用することが条件になります。当事務所はこの支援機関登録済みの事業者であり、(一社)M&A支援機関協会の会員でもあるため、制度活用のご相談に対応可能です。

7. 事業承継・M&Aを行政書士に相談するメリット

事業承継・M&Aは法務・税務・実務が絡み合う手続きです。専門家の行政書士に相談することで、次のようなサポートが受けられます。

  • 許認可の承継手続き:許認可を伴う業種では、承継・M&Aのタイミングで許認可の引継ぎ手続きが必要になる場合があります。業種によって手続きが異なるため、専門的な対応が求められます(対象は特定の業種に限りません)。
  • 法務手続きへの対応:定款変更、株主総会議事録の作成、種類株式の活用など、事業承継・M&Aに付随する書類作成を行います。
  • 専門家ネットワークによるワンストップ対応:税務は税理士、法的な交渉・訴訟対応が必要な場合は弁護士をご紹介し、相手企業探しはM&A仲介会社と連携するなど、経営者の窓口を当事務所に一本化します。
  • 継続的な伴走支援:公的窓口での相談とは異なり、案件担当者が固定され、初期相談から契約締結後の実務まで一貫して同じ専門家が対応します。

当事務所は、事業承継・M&Aを専門分野とする行政書士法務事務所として、支援機関登録済み・(一社)M&A支援機関協会の会員である専門家の行政書士が、業種を問わず大阪府内の中小企業の事業承継・M&Aについて専門的な支援を行っています。

まとめ

大阪府での事業承継・M&Aは、後継者不在という課題が業種を問わず広がる中で、親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)のいずれを選ぶ場合でも、早期の準備が選択肢の幅を広げます。実務を継続的に進める段階では、支援機関登録済み・(一社)M&A支援機関協会会員である専門家の行政書士に直接ご相談いただくことで、窓口を一本化しスムーズに進めることができます。

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